ゲーム・オブ・スローンズ シーズン1 から観てみる。キャラ多すぎ

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ゲームオブスローンズが完結したということで、高評価の話題もあることだし、アマゾンプライムでシーズン1をとりあえず見てみようと思った。アマゾンプライムでは、最終章以外の、シーズン1-7まで見放題だった。

 


「ゲーム・オブ・スローンズ」第1章から最終章 見放題!

 

中世ヨーロッパの時代にドラゴンなどが存在する舞台ベースだということ。オープニング映像も、古地図やからくりモチーフの演出が見られる凝った作り。でもなんというか、このロールプレイングゲーム的なニュアンスがどうも受け入れ難かった。

私みたいに、映画や海外ドラマも、ヒューマンコメディが中心って人にはかなり掴みに時間がかかると思う。でも、とりあえずシーズン1を見るだけ見てみようかと思った。

 

1-3話を見たのでまとめると、

やっぱりきつい!何がきついっていうと、登場人物が多すぎ!待ってこの人だれ?ってなることが多い。これは海外ドラマのはじめにはつきもので、1つの試練だけど、それにしても数が多かった。3話くらいになると、ああ、この人はあの人とあれでっていう感じで自分の中に自然と相関図ができて慣れてくるはずなのに、一向にあの感覚にならなくて絶望する。ちんぷんかんぷん。仕方なく相関図に手を出した。シーズンのエピソードごとに相関図を作ってくれている素晴らしいブログがあったのでご紹介。

 

gameofthrones.blog.fc2.com

 

とは言っても、各エピソードの終盤には、憎らしいくらいに次が気になる演出が施されていて、時間と体力が許す限りは観てしまう感じ。1つの冒険みたいに捉えて引き続き普段は見ないタイプに足を踏み入れてみようと思う。

 

 

永遠の門 ゴッホの見た未来

永遠の門 ゴッホの見た未来


【公式】『永遠の門 ゴッホの見た未来』11.8公開/本予告

 

生まれてくるのが早すぎた。

ゴッホが評価されなかった時代の人々のリアクションが面白い

 

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STORY


潜水服は蝶の夢を見る」「夜になるまえに」のジュリアン・シュナーベル監督が画家フィンセント・ファン・ゴッホを描き、2018年・第75回ベネチア国際映画祭コンペティション部門で、ゴッホ役を演じた主演ウィレム・デフォーが男優賞を受賞した伝記ドラマ。画家としてパリで全く評価されないゴッホは、出会ったばかりの画家ゴーギャンの助言に従い南仏のアルルにやってくるが、地元の人々との間にはトラブルが生じるなど孤独な日々が続く。やがて弟テオの手引きもあり、待ち望んでいたゴーギャンがアルルを訪れ、ゴッホゴーギャンと共同生活をしながら創作活動にのめりこんでいく。しかし、その日々も長くは続かず……。作品が世に理解されずとも筆を握り続けた不器用な生き方を通して、多くの名画を残した天才画家が人生に何を見つめていたのかを描き出していく。ゴッホ役のデフォーのほか、ゴーギャンオスカー・アイザック、生涯の理解者でもあった弟テオをルパート・フレンドが演じるほか、マッツ・ミケルセンマチュー・アマルリックら豪華キャストが共演。

 

感想

 

 

ゴッホをテーマにした映画はたくさんあるけれど、これはドキュメンタリーではなく劇映画。自身も画家でもあるジュリアン・シュナーベル監督の解釈で切り取ったゴッホの人生の一部。1888年。パリに疲れてアルルへ向かったところからの物語だった。

 

タイトルに「生涯」と書いているけれど、生まれてから死ぬまでというわけではなかった。鑑賞に問題はそれほどないだろうけれど、ざっと生まれてからのことを説明すると、オランダ生まれで、弟がいて、伝道師になった後、27歳で画家になることを決意。それから弟に仕送りしてもらいながら画家活動していた。という感じだ。

 

彼の生涯には、辛い挫折経験が多い。神学部入学を諦めたり、失恋で勤務態度が悪くて会社を解雇されたり、画家になった後も美術学校では教師と揉めた。そういった辛い過去と対照的に彼の描く作品からは喜びや生命力に満ちた明るさが感じられる。作品が陽だとしたら、彼自身は陰なのだと思う。

 

映画はゴッホのPOVのような始まりを見せるが、所々にそういった演出があるけれど、これが効果的とは感じられなかった。彼の人生の面白さというよりも、この作品は彼の周りを生きていた人々の方がより魅力的に映る。それは、彼を支えた弟やゴーギャン、ジヌー夫人もそうだし、彼をアブナイ人間のように扱った人たちもそう。

 

面白かったのは、自分には絵の才能があると疑わない彼と、彼の描いた絵を見て、「これを才能と感じているなんて、なんと気の毒なことだろう」といった目でみつめるカウンセラーとのシーン。コミュニケーション取れてないやり取りが面白い。画面からは、「ああ、ゴッホはこういう風なイメージがあって、それを伝えたいんだな」と汲み取れるけど、当人たちは「は?」ってことの連続だったんだろうな。

 

周りの人間とすれ違ってばかりだったけれど、描き続けた多数の作品を見ると、「自分の思う美しさのために意思を貫き通した」というイメージが先行するけれど、彼は貫いたよりも、そうする以外他なかったという感じだと思う。人と話してるときも、独り言でも言ってるみたいに会話するデフォーのユニークな演技からもそう感じられた。本年度アカデミー主演男優賞ノミネートだけあるなと思った。

 

フライヤー

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ミニマリストについて考える。オススメの7つの映画

ミニマリストについて考える。オススメの7つの映画

映画作品の中に見る、ミニマリストマインド。

ドキュメンタリーから劇映画まで、ミニマリストについて考える上で参考になりそうな要素を持つ作品を10ピックアップ。

 

 

ファイトクラブ

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不眠症に悩む冴えない自動車のリコール調査員である主人公。

自宅は、カタログを眺めこだわり抜いたものが揃えられた自分の住む高級アパート。

しかし、出張から戻るとガス爆発で全部吹き飛び、管理人に一言こう言われる。

「部屋には何も残っていません。」

 そして、その後ファイトクラブのメンバーとして関わることになる、タイラーという人物にこう言われる。

「お前はものに支配されている。」

「すべてを失ってはじめて、やりたいことをする自由を手に入れられる。」

 


ファイト・クラブ (Fight Club)

 

お買い物中毒なわたし!

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園芸雑誌社で働きながら、ファッションエディターを目指している買い物中毒の主人公は、クレジットカード12枚を使いまくったのち、1万ドル近く借金!そのまま失業することに。しかし、ひょんな行き違いから金融雑誌でお金の使い方のアドバイザーになる。

 

一見ミニマリストとは反対に思えるが、

ものをたくさん持ちたいと思う人間を観察することで、ミニマルな思考とはどんなものかを改めて考えられる。

コメディ要素が強いので、難しく考えられずにみられるところがいい。

 


映画『お買いもの中毒な私!』予告編

 

お買いもの中毒な私!(吹替版)
 

 

レオン

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こちらも大変有名な作品。

レオンの暮らし方や生き方を見ると、ミニマリストマインドを感じられるだろう。

必要なものだけを揃えたアパート。服の選び方。買い物の仕方。だが、生活自体は薄暗く味気なさとは無縁で、観葉植物を1つだけ大事に育てていたり、ブタさんの鍋つかみを持っていたり、ミュージカル映画を見にいったりしている。

チルダと共に、アパートをさる時も、2人は本当にいるものだけを手にしている。

その姿からは美しささえ感じられる。

 

www.youtube.com

レオン 完全版 (字幕版)

レオン 完全版 (字幕版)

 

 

幸せがおカネで買えるワケ

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これは設定が大変ユニークな作品。

身の回りの商品すべての販売促進のため高級住宅街に引っ越してきたニセ家族が住民にまんまと物欲と虚栄心を掻き立てるさまとその顛末を描いたロマンティック・コメディ。

これはものに支配されている、現代の物質主義、資本主義社会を皮肉っている作品。

タイトルからラブコメディ的なテンションは確かにあるけれど、割とシリアス目な内容と展開である。

 


幸せがおカネで買えるワケ - 予告編

 

 

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ザ・ミニマリズム

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物質的な豊かさが幸せをもたらすというアメリカ的な考え方を拒否し、シンプルな暮らしを実践する複数の活動家やミニマリストたちの考えを知ることができる、真に大切なものとは何かを問うドキュメンタリー。

小さい家で暮らしている人や、3ヶ月33のファッションアイテムだけで過ごす実験を広めている人がいたりと学ぶことが多かった。

 

 

filmarks.com

 

365日のシンプルライフ

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 フィンランドの作品。1人の青年がモノと人生について考え直すまでのドキュメンタリー映画

 ルールは、まず自分の荷物をすべて倉庫に預けて、それ以来何も買わず、毎日1つだけ倉庫から部屋に持ち帰り、これを1年間続けること。

ドキュメンタリーではあるが、このルールがあることと、主人公が監督・脚本もしていることもあり、程よく演出されていて見やすい。

 


映画『365日のシンプルライフ』予告編

 

 

 

 

 

ホームレスニューヨークと寝た男

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ニューヨークでスタイリッシュにホームレスをしているという男性の密着ドキュメンタリー。

元モデルでいまは主にファッションフォトグラファーをしている。家はなく、不法侵入しているアパートの屋上が彼の家。ホームセンターで防水シートを使って雨を凌ぎ、持ち物はすべて会員制ジムのロッカーにある。この生活を彼は5.6年続けている。

しかし、本人はいわゆる、持ち物や家を捨てて充足感に溢れてます!といった一筋縄ではいかないミニマリズムであるところが、みどころと言える。

 

filmarks.com

 

終わりに

以上がミニマリストを考える時にオススメの7つの映画でした!

ミニマリズムが一絡げにできないように、今回取り上げた映画以外にもまだまだミニマリズムは潜んでいるはずです。例えばミニマリズムがもたらす開放感と清々しさは、逃避行や旅行のストーリーにも共通するところがあるでしょう。今まで見てきた映画の中にそういった切り口を持って観てみるのも面白いかもしれません。

代官山シアターギルドで新しい映画体験/Filmarks特殊上映会

シアターギルドとは?

 

4DXの登場や、上映中に声を出せる応援上映、シネマシティ の爆音上映、など、映画館をとりまくサービスは進化し続けています。

最近では、今年7月に池袋に新たにオープンしたグランドシネマサンシャインは、IMAXの最高峰、IMAXレーザーGTテクノロジーを完備したことで話題になった。

 

しかし、今回紹介するのは昨今の迫力あるサウンドや映像が売りというよりも、映画館をほどよすダウンサイジングさせつつ、最新テクノロジーとアットホームさあふれる新しい映画サービス。

代官山はじめとして都内随時オープンを予定している次世代映画館「シアターギルド」の上映会へ行ってきたので感想をご紹介します!

 

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シアターギルドHPより

 

“次世代映画館”と呼ばれている理由

 

  1. オープンスピーカーなしの、サイレントシアターである
  2. 鑑賞者は、独自開発ワイヤレスヘッドホンをつけることにより、独特の没入感や、個別の音響ボリューム調整が可能
  3. スピーカーで音を出さないサイレント上映環境を実現することにより、防音/遮音設備が不要

 

といった感じです。

他にも、ニューロマーケティング という、映像を鑑賞者に観てもらうだけで、表情や脳波、体温などのニューロデータが可視化される最先端テクノジーが常設されている。

これは、試写会などで鑑賞者の表情、脳波、性別、世代のデータを記録して、

マーケティング戦略作品のブラッシュアップへの活用が期待されています。

 

シアターギルドは、サブスクリプション型の会員制を予定しており、

映画館を利用するには、会員になる必要があります。

ネットでもNetflixやHuluなど、月額制ストリーミングが主流になっている今、

街の映画館の新しいカタチとして、こんなのあっても面白いなという印象を受けました。

 

場所

 

 

映画館の場所は、代官山駅入り口交差点を渡ってすぐ徒歩2分程ところ。

私は渋谷駅から歩いて行ったのですが、それでも20分少し。

 

代官山、中目黒あたりは、ハイファッション&ハイカルチャーのひしめきあう

スタイリッシュなエリア。

 

代官山蔦屋書店では、オールカルチャーつまみ食いできるし、映画本もいっぱいあって、レンタルもできる...

 

 

しかし、さて「映画館いこ!」となると、

渋谷へ行くか、恵比寿ガーデンプレイスのガーデンシネマまでいくしかない。

 

エリア的に、クリエイティブ系の仕事をしている人や、アーティストなども多くいるだろうし、寄り道感覚で映画を楽しめるとしたら、痒いところに手が届く気がしました。

 

シアターギルドの映画体験

入り口

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サンローゼ代官山1Fテナント、代官山で靴を脱いでカジュアルにリラックス

 

それでは映画体験レビューにうつります!

まだオープン前のため館内は、撮影NGでしたので、急遽描いたスケッチなどを交えて綴ります。

 

 

試写作品はこれ

今回の特殊上映会での作品は、2019年2月22日に日本で劇場公開した、

THE GUILTY ギルティ」(2018年製作/88分/G/デンマーク)

guilty-movie.jp

 

 電話からの声と音だけで誘拐事件を解決するという、シンプルながらも予測不可能な展開で注目され、第34回サンダンス映画祭で観客賞を受賞するなど話題を呼んだデンマーク製の異色サスペンス。

 

この作品のキャッチコピーが、

 

「犯人は音の中に潜んでいる。」

「事件解決のカギは電話の声だけ。88分、試されるのはあなたの<想像力>」

 

であるように、映画の「音」がかなり重要ポイントです。

 

主人公は緊急通報司令室のオペレーターであるため、劇中彼はほとんどヘッドセットをつけています。そのため、今回の上映会ではスクリーンの内でも外でも類似した音声体験ができました。

 

 中はこんな感じだった

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1人がけの他にソファ席や、テーブル席もありました

 

客席はまるで

よく、カフェなんかで、プロジェクターで壁に映画を投影してるとこありますよね?

会場はまさにそのカフェのようだけれど、

ただ、お客さんがみんなガッツリ映画だけ見てるイメージです。

椅子はクッション仕様のもので、中にはイームズル・コルビジェなど

デザイナーチェアもあったりと、なかなか豪華。

 

ヘッドホン鑑賞はキツイ?

スタッフさんが上映前に使い方を説明してくれました。

特に難しくなくスイッチ入れるだけでした。

私は、ヘッドホンをつけると、耳がすぐ痛くなってしまうたちなので、

上映前は絶対痛くなって途中外すだろうな.......と半ば諦めモードでした。

でも、上映88分間、全く不快に思いませんでした!

音量調節も右耳側のダイヤルでできるし、さすがテクノロジーに敏感な映画館だけあって、独自開発のワイヤレスヘッドホンもかなりハイスペックな感じです。

後ろのカウンターに、30個くらい並んでいたけれど、これ一体1ついくらなのか?

気になります。上映後はこれをカウンターに返却しておしまい!

 

カフェ・ギャラリースペースあり

入ってすぐ左手にカウンターがあり、ドリンクなどが買えるようでした。

投影スペースの横にはギャラリーコーナーがあって、ここで展示会なども行えるようになっていました。

既存の映画館が、「観たら、出てどこかで話そう」となるところを、「ちょっとこのまま席に座って話そうよ」とすることも可能だと思いました。

シネコンなどでは、上映後一緒に見た友人と感想を話してたくても、清掃スタッフに追い払われるように、館内を後にする、なんてことある人には嬉しいかも...

 

以上が体験した感想のまとめです、また情報解禁されて金額などわかり次第また行ってみたいですね。ありがとうございました。

 

その他映画館の詳しくわ情報はこちら!

theaterguild.co

 

『6才のボクが、大人になるまで。』"Boyhood"

 

この映画の存在を知ったのは、2014年の夏。ニューヨークのSVAに短期留学中だった。街のあちこちにポスターが飾ってあって気になっていたところ、キップスベイの映画館で一本だけ無料でみれるチケットをスクールからもらったから、すぐに観に行ったのだった。しかし、一日中マンハッタンを歩き回って、作品制作を終えたあとの疲れと、言語理解能力の欠如で上映開始40分で眠りについたのは悔しい思い出。今回は改めて鑑賞した記録。








メイソンと家族の12年間


主人公は、テキサス州に住む6才の少年メイソン。キャリアップのために大学で学ぶと決めた母に従ってヒューストンに転居した彼は、そこで多感な思春期を過ごす。アラスカから戻ってきた父との再会、母の再婚、義理の父の暴力、そして初恋。周囲の環境の変化に時には耐え、時には柔軟に対応しながら、メイソンは静かに子供時代を卒業していく。やがて母は大学の教師となり、オースティン近郊に移った家族には母の新しい恋人が加わる。一方、ミュージシャンの夢をあきらめた父は保険会社に就職し、再婚してもうひとり子供を持った。12年の時が様々な変化を生み出す中、ビールの味もキスの味も失恋の苦い味も覚えたメイソンは、アート写真家という将来の夢を見つけ、母の元から巣立っていく。(公式パンフレット)




人の一生の歩み方は違えど、同じ速度で流れ続ける時間。







物語は、メイソンという1人の少年が6才から18才になるまで。しかし、当然主人公の周りいる家族も同時に描かれるところが作品をより深いものにしていたと思う。


演出面をみて私がきになったのは、ゲイっていうワードが何度か出てくること。やっぱりアメリカって国のLGBTに対する意識を感じられるし、高校生のメイソンがネイルをしているところにも、クロスジェンダー的要素を感じられた。

音楽は上映するやいなや、Coldplayのyellowが流れるから、うれしい驚きだった。Lady Gagaをはじめ、その時代のヒットチャートを組み込んだり、Apple製品の進化の過程、メイソンが遊ぶゲーム機の移り変わりの演出も、物語を光らせている。ニンテンドーのspから、wiiへの移り変わり、そして、Macのコンピュータや、ipodガラケーから、スマートフォンへ。現代の視点からみたら小道具や演出と捉えられるけれど、撮影された当時は何の演出もないリアルそのものが画面の中にある。わたしが思うに、きっとつくる側はとても楽しんで撮ったのだろうと感じる。彼らにとってこの映画は動くアルバムのようなものなんじゃないかな。



 





12年の撮影期間と、その歳月の力にもってかれるということを杞憂していたけれど、頼りきっているわけではなかった。すばらしいところ。それに加え、ヒューマンドラマならではの妙に涙をさそうような演出もなく、本当に1人の人間、そして家族が生きていた軌跡だった。ドキュメンタリーで何年もの歳月を追うっていう話は、よくある。ドキュメンタリーAmerican Teen/アメリカン・ティーンでさえ、1年をおったもの。物語として同じキャストで撮影したということが新鮮だ。




 

 

 

 

アメリカで12年すごした人はより話にはいっていけるのだろうけれど、日本で暮らす人にとっては、少しハードルの高いシーンもちらほら。イラク戦争の話題をはじめとして、オバマ大統領のシーンは、日本のティーンにおける政治感覚では考えられないものがあった。多くの日本のティーンはあそこまで政治に関心がないから。たしかに、この物語自体はごく自然な一般家庭の男の子というわけではない。しかし、やはり同じ人間、同じ時間だ。すべてが共通ということはなくても、抱える問題、これから待ち受ける問題に、少なからず誰しも自分をみるはずだ。





些細なことだが、それも自分が生きた証。

親と帰宅時間でもめること。つきあっている人のこと。学校のこと。国はちがえどいっしょのテーマは存在する。人が生きていく上で必要な成長や葛藤を等身大に描いていた。




自分の18年間からすれば、親っていう存在はいっしょにいすぎて、空気のように自然存在。だから気をつけないと、いっしょにいることが当たり前に感じてしまう。自分が生きているってことに気づいたときにはもう何年もいっしょに過ごしてきた存在だから、無意識的になるのも自然。メイソンとお母さんの関係も、2人の間に関わる人たちは、ときを追うごとに変化していくけれど、彼らは決して離れたりしなかった。おもしろいのが、作品をみている間に、メイソンと母という視点にもってかれなかったこと。あくまでメイソンの成長中心にみていた。それは、彼が特別思い悩んで、手首を切ったり、2番目の義理の父みたく、家具を破壊するような反抗期的行動をおこすシーンはみられないから、母が泣いたりするなんてことがなかったからだと思う。そういった配慮のおかげで内に秘めた感情がきれいににじみ出てきていたのだろう。

 



ここで気づくのが、この物語の視点の多さ。親と子をはじめ、それからあらゆる年齢層にベクトルは広がる。単純なことだけれど、もう子育てを終えた親とそうでない親では、物語から感じるものは違う。もし、ティーンエイジャーがこの映画をみたら、メイソンに感情移入してきっと自分の今までと、これからの将来を考えるだろう。無限の視点が存在する。

 


性格も価値観も、生きていれば変化するけれど、やっぱり1人の人間であることから逃れることはできないと気づく。どんなに拒否しようと、自分からは逃げられないし、生きている以上、だれかとつながるってことは避けられない。それをどう捉えるかが鍵になる。



自分はどう生きるのか。

 

 

 

 

時計というのはね、人間ひとりひとりの胸の中にあるものを、きわめて不完全ながらもまねて象ったものなのだ。光を見るために目があり、音を聞くためには耳があるのとおなじに、人間には時間を感じとるために心というものがある。そして、もしもその心が時間を感じとらないようなときには、その時間はないもおなじだ。

(『モモ』ミヒャエル・エンデ作/大島かおり訳/岩波新書





 

 

『ガリーボーイ』“GULLY BOY” 【感想/試写会レビュー】

映画「ガリーボーイ」を観る前に!


『ガリーボーイ』予告編

 


サクセスストーリーでさっぱりしつつも

社会的な問題も写している。

 

先週10月9日に、18日から公開される映画「GULLY BOY/ガリーボーイ」のJ-WAVE試写会へ行ってきたので、紹介します。

 

 


実はボリウッド映画を最後までちゃんと観たことがない(インド料理屋の店内で流れていた歌って踊る系のをボーっと観てたくらいだし、「きっと、うまくいく。」は尺長すぎて途中で断念...)ので、本作が正式なボリウッドデビューです。


観る前に知っておいた方がいいなと思ったことがあったので、少しまとめます!

 


押さえておきたいインド文化の基礎知識3つ

 



スラム街

 

インドへは行ったことがないので実際に目にしたことはないのだが、インドの首都ムンバイの空港近くには広大なスラム街があり、主人公が暮らすこの映画の出発点は、その中でも最大のスラム街であるである「タラヴィ」というエリア。小屋のような家屋、バラックがひしめきあっていて、日本から見るとホームレス地区的な印象であるが、彼らはホームレスとは違い、最低限の生活水準を得ている。公共交通を使い、大学へ通い、スマホも持ち、近所の子供はYouTubeで動画鑑賞しているのだ。「貧困街」、「スラム街」と聞くと、かなりヘビーなホームレス的な生活環境をイメージしてしまっていた私にとって、この映画に写されたタラヴィはかなりギャップがあり、初め戸惑った。



身分制度

 

学校で習う「カースト制度」の存在が有名だが、これは現在はそれほど強くは残っていない。しかしそれは格差社会に形を変え、未だ根強く身分意識があり、国民もそれに準じていることがストーリーの中で垣間見えた。

本作で言えば、雇われ運転手の息子と、個人診療所ドクターの娘であるヒロインとではは身分が違うと捉えられているようだ。(しかし、この身分の差も日本人からすると、瞬時に生活環境や服装から判断できるほどではなかったから難しいところ。ボリウッドデビューということもあり、インド人の識別能力が低く判断力に乏しいこともあるが...)

スマホはスラム街では誰でも持っているけれど、iPadはお金持ちのヒロインだけが持っていることなど、身分差を匂わせるシーンなどから考えたが、そのヒロインもスラム街の人々と同じように公共交通機関を使っていたので、貧富の差はそこまで大きくないのかもしれない。

 

言語

インドは多言語国家だが、本作の中では英語とヒンディー語ミックス。8割ヒンディーで、英語がところどこでてくる感じでした。

本作を観る前にこれ知っておきたかったなって思ったのは主にこの2つ。これからのボリウッド映画の基準になるインド文化の価値観を本作は比較的優しく教えてくれたと思います。

 



さて、映画自体の話に戻りますと、私はラップもヒップホップも全く詳しくなかったので、いわゆる「のり」についていけないことはあったけれども、理解できなくはなかったといったところ。そもそも、この映画はインドのアーティスト、Neazyの実話をベースにしたサクセスストーリーだからとてもスッキリしていてわかりやすい展開です。

ラップシーンも、おそらく本来作品が持つ表現力の1割も理解できてない私が観ても、緊張感が伝わってきたのは確かで、一緒に鑑賞したラップに詳しい友人も「バトルシーンは拳を握りしめて観ていた」とのこと!



作家・クリエイターのいとうせいこうが日本語字幕を監修しているのも注目みたい。

これは、かなり骨折りな仕事だと思う。外国語のラップを字幕に直して、韻まで伝えないといけないから。そもそも言語の違う国のラップの映画を観るというのは、ヒップホップやラップに詳しい日本人にハードルが高かったりするのでは?と考えてしまうが、ラップバトルの雰囲気とインド旅行気分を味わうだけでも、十分楽しめたし発見がありました。

(私の場合、Rotten Tomatoes 満足度100%とか、高評価を売り文句にされると、途端にハードルが下がってしまうので、あまり期待せずに観たのがよかったのかもしれませんね)



 

「ガリーボーイ」公式サイト


STORY


ムラド(ランヴィール・シン)は、雇われ運転手の父を持ち、スラムに暮らす青年。両親はムラドが今の生活から抜け出し成功できるよう、彼を大学に通わせるために一生懸命働いていた。しかしムラドは、生まれで人を判断するインド社会に憤りを感じ、地元の悪友とつるみ、内緒で身分の違う裕福な家庭の恋人と交際していた。ある日大学構内でラップをする学生MCシェール(シッダーント・チャトゥルヴェーディー)と出会い、言葉とリズムで気持ちを自由に表現するラップの世界にのめりこんでいく。そして“ガリーボーイ”(路地裏の少年)と名乗り、現実を変えるためラップバトルで優勝を目指す事を決意する。

 

フライヤーはこちら

フライヤーを載せておきます、見る前に気分を上げていってください

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格安釜山旅(ゲストハウス利用注意)

5日間 いざ釜山格安旅

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海外旅行を予約するとき、どこへ行きたいかと同じくらい、どれだけ安くいくかということも重要。(私のまわりの若者たちの間では安さの方が重要になってきている気がする。気のせいかもしれないけど。)

 

とにかく、卒業旅行シーズンともよべなくなってきてしまったので、急いで一人旅を計画た。予算7万円で、どうにか5日間楽しめるプランを絞り出したのが、1週間前のことだ。

 

航空券+ホテル、26,579円

 

1週間前に唐突に探した割には安く取れた。

いつも使っているDeNAトラベルには毎度感謝しかない。

 

どうして安い?

実は、航空券のみだと、21,000円だ。私はいつも滞在費で極限まで削っているから。

今回は、釜山の海雲台のゲストハウスを利用した。

 

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6名1室の寮みたいなところ。イメージとしては林間学校の部屋的雰囲気だ。

同じ部屋に誰がくるかは決められないから、これはもう毎回運にかけてる。

仲良くなるか、なにもないか、喧嘩になるかはわからない。

以前ソウルのゲストハウスに泊まったときは、いびきがうるさくてかなわなかったおじさんが一緒で、チムジルバン(健康ランド的なところ)に逃げた思い出がある。

宿泊中のチェックインアウトのタイミングも人それぞれだから、最初から最後までかぶる人は少なかったりする。

 

もし、外れだったら帰って寝るだけの空間にしてしまいたい。外に出て空気を吸う方が、室内でくつろぐよりも大事だったりするから。